(前回記事より)「さて、算数の研究授業を誰がすることになったのでしょう…?」
1年生算数の研究会を予定していたところ、インフルエンザの流行により授業ができなくなってしまいました。担任がしっかりと準備して臨む授業だけにすぐに代わりはききません。講師の先生は大変お忙しい方で急遽別日に変更することなどできません。さあ、困った、困った、こまどり姉妹…。
この緊急事態を受け、校長は前田一誠教授に相談をしました。実は前田先生が昨年度隣接校で示範授業をされたことがあるのですが、その様子を録画させていただいていました。とてもおもしろく手本となる授業でしたので、その解説をしていただこうかな、本校職員の研修にもピッタリだし、お忙しい先生にさらなる負担をおわせなくてすむかな、などと考え提案したのです。しかし、お返事は………。
「米子駅に早めに迎えに来ていただいてよいですか。早めに学校について、印刷など準備をしなくてはなりませんから。」
…なんと自ら示範授業をしてくださることになりました。驚くやら、喜ぶやら…。
前田先生、実は九州肥前のご出身。まさに九州男児。今回もさっと決断して、到着してすぐに校長室で黙々と授業の準備に取り掛かられました。授業は2年生の「分数」。
子どもたちも先生もお互い初対面。大学教授に教わるなんてことは小学生ではめったにありません。写真をご覧いただければおわかりになりますが、前田先生の温かなまなざしと豊かな表情、優しい語り口、そしてユーモア。
最初は戸惑い気味だった2年生も、だんだんと学びのエンジンがかかり、中盤では勢いよく挙手しはじめ、挙げる手が1本では足りないと思ったのか、すごい勢いで両手を挙げ始める子もでるほどでした。まさに「範を示す」。楽しくて、知恵と技が凝縮された授業でした。
こんなチャンスは私たち教員であってもめったにありません。今回はIPU環太平洋大学前田ゼミの3・4年生が7名ほど参観していましたが、彼らにとっても幸運だったと思います。このHPをご覧になる皆様にも、せっかくなのでご紹介します。写真で雰囲気をお楽しみください。
教室の空気は温かい。基本「ほめる:叱る=99:1」が先生のお考えです。
優しい口調で、ユーモアたっぷり。でも、子どもたちはスピードを要求されます。
なにより、まなざしが温かく、表情が豊かです。
分数の書き順をしっかりと確認します。
「これは 四分の一?」