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2023年10月5日木曜日

親は子どもの応援団長!  

  4日夜、「赤碕中校区2小PTA人権・同和教育交流研修会」が開催されました。この研修会は、同じ赤碕中学校区の2つの小学校のPTAが、人権について共に学び、つながっていこうという趣旨で設けられ、実に長く続いています。
 新型コロナ感染症の拡大により参集中止・内容変更になったこともありますが、昨年度は赤碕小PTAが幹事となり、久しぶりに参集方式で開催となりました。今年度は船上小PTAが幹事を交代し、本校体育館を会場に開催したというわけです。

 今回の内容は清元院住職の井上英之先生を講師としてお迎えし、「つながっていますか?心のパイプ ~親は子どもの応援団長!~」の演題で講演をしていただきました。井上先生は9年前までは県教委や公立中学校にお勤めでした。また、先頃まで日本海新聞に毎月連載しておられましたので、ご存知の方も多いと思います。清元院は校区の以西地区にある名刹で、実は本校低学年の子どもたちは毎年バスに乗って訪ねては「修行」をさせていただいています。全校遠足の時は、きまって本堂縁側で「ふなのえ班対抗 雑巾がけレース」があり、毎回熱戦が繰り広げられます。
 井上先生の講演を聞くのは私自身2回目。前任校教頭の時、PTAの部員研修で初めて聞いたのですが、その時のなんともいえない感動を忘れられません。教員としての経験、3人の娘さんの父親としての体験やエピソード、仏様の教え、それらを混ぜながら1時間10分ほど熱く語っていただきました。「子をもって知る親心 子をもって忘れる子の心」、親は子どもの応援団長であり「いつでも聞くよ 応援しているよ」というメッセージを発し続けること、「やりこめない 弱点ばかり突かない」「あたりまえのことをほめる」、仏教の「同事」など、深く考えさせられるお話が続きました。








  最後に県外で高校女子硬式野球を続けた長女さんのエピソードをお話しになられました。強豪校でレベルも高くなかなかベンチに入れない、でも100人からの部員をまとめる副キャプテンを任され、さまざまな部員たちのさまざまな相談を受ける…。
 いつものように車を飛ばして応援に駆け付けた井上先生。ベンチに入れず、スタンドで一生懸命応援をする長女。夕日を浴びるころ、優勝して大会が終わり、活躍した選手たちがインタビューを受ける晴れやかな姿を横目に見ながら、球場の片づけやそうじの指揮を執っている。退出していく部員一人ひとりに温かい声をかけたあと、一番最後に帽子をとって深々と球場に礼をする長女の姿を車窓越しに見ながら、先生の号泣は止みません。応援団長のお心はいかばかりだったのでしょう。

 子育ての目的は「自立」。子どもは蓄えた優しさの貯金によって、自らの力で壁を乗り越えていく。わが子を見守り、応援し、いつまでも手を振り続ける…。そんな親でありたい。 
 この講演から、普段は忘れがちな、でも親として忘れてはいけない大事なことを改めて教えられた気がします。井上英之先生、ありがとうございました。