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2022年5月26日木曜日

町民の生活を第一に

  4年で進んでいる「水」の学習。これまで、琴浦町の上水道システムの現況、上下水道課の役割などを学んできました。

 初めて知ったことも多く、知識は得た。でも、社会科の学習時間なので、社会的な思考を深めさせたい。
 実は数年前校区で漏水事案が起こりました。路面に水が浮きあがってきて、配水管の破損が確認されたのが夕方午後5時。実際に復旧工事が始まったのは翌朝午前10時でした。この事案をもとに思考させたいと考えたのです。
 4年生にいつ復旧工事が始まったのか予想させたところ、「5時15分(大事な水だから大急ぎで工事に取りかかった)」、「5時30分(同じ理由)」、「午後8時ころ(工事をするにも機械など準備がいるだろから準備でき次第)」など予想しました。
 実際には翌朝10時であることを示し、なぜすぐに断水して工事に入らなかったのか尋ねました。すると、「夜間に工事をするとうるさくて迷惑になる」、「仕事から帰ってくる人がお風呂にも入れず、ご飯も食べられないのは困るから断水しない」と発言します。そこで、「う~ん、じゃあ水は漏れたままでよいのかなぁ。道路の下が削れたりしてしまわなければよいけど。」と揺さぶると、どの子も困ってしまう‥。そんな感じでした。
 今日は、「(琴浦町)1日の水の使用量」のグラフを資料として提示して、この問題を解決することにしました。ちょうど4年生算数で「折れ線グラフの読み方」を学んでいますから、ざっと全体の状況を読み取ったあと、「断水を伴う3時間の水道工事」をどの時間帯に設定するのか考えてもらいました。





 自分の予想を、理由をつけてノートに簡潔にまとめ、さあ、2分間の「シンキング・タイム」。
 意見を聞いてみたい友だちと席を離れて自由に意見交換を行います。時間いっぱい、何人とでも。友達の意見を聞いて自分の考えを変えても修正してもよし、自分の意見の正しさを感じ取ってもよし、対話をヒントに別の視点で考え直してもよし‥。







 その後発表してもらうと、「お昼頃」「深夜早朝」の2つに集約されました。「水の利用が少ない」ことが共通の理由。また、「(学校や仕事に出かけて)昼頃は家に人がいない」「工事をするには明るいことが必要」とも発表していました。

 実は正解は「午後1時から午後4時」。理由は子どもたちが述べたとおりです。お昼の炊事が一段落した、水の利用が比較的少ない時間帯。安全のためにも昼間に工事を行うのだそうです。夜間は、まず騒音が問題視され、また、安全対策が大掛かりになるために工事費も膨らんでしまうとも。

 町の水道システムを24時間監視してくださっている上下水道課の皆さん。単に水の監視や維持管理だけではなくて、「この時間帯に断水したら皆さんお困りになるだろうな‥」など「町民の生活を第一に」お仕事に取り組まれていることがわかりました。「ありがたいなあ~」。誰となく、子どもたちからそんなつぶやきも聞こえてきました。4年生、明日は大父木地水源地・配水池の見学に出かけます。

〈余談〉
 数日前、4年生のある女の子が私に話しかけてくれました。「校長先生、私のおじいちゃんは役場の水道課に勤めていたそうです。」とにこにこと嬉しそうに教えてくれたのです。
 「それはすごいですね。わからないことを教えてもらうといいね。」と私。
 夕食の食卓で、おじいさんとお孫さんが、琴浦町の水道について語っている‥‥。そんな様子を想像すると、私も思わず嬉しくなってしまいます。